トモエゴゼン
東京大学木曽観測所シュミット望遠鏡用モザイクCMOSカメラによる可視光広視野動画サーベイ
トモエゴゼンは口径1.05m木曽シュミット望遠鏡に搭載されたモザイクCMOSカメラとリアルタイムデータ処理ソフトウエア、自動観測ソフトウエアから構成される可視光の広視野動画観測システムです。84枚のCMOSイメージセンサーにより2フレーム毎秒で20平方度の視野の動画を取得できます。毎晩の観測で生成される30テラバイトのデータは先端の情報科学的手法でリアルタイムに処理されます。CMOSイメージセンサーの高速なデータ取得性能により空の迅速なスキャンに加え、サブ秒の時間分解能での高速モニタリングも可能です。現在、単色で12,000平方度をスキャンする全天動画サーベイと、3,000平方度を繰り返し観測する高頻度動画サーベイが進められています。重力波イベントのアラートを受け取ると速やかに数100平方度の自動追観測が開始されます。GPSにより実現される高い時刻精度のタイムスタンプは、短時間に変動する天体をX線望遠鏡や電波望遠鏡と同時にモニタリングすることを可能にします。このようなトモエゴゼンによる高速、高頻度かつ広視野の観測は微光流星、地球接近小惑星、太陽系小天体の掩蔽、爆発初期の超新星、ブラックホール連星、重力波やFRBの可視光対応天体、未知のフラッシュ現象といった短時間の変動現象に関する新しい天文学の扉を開こうとしています。
広視野望遠鏡(有効口径1.05 m、F値3.1)
20平方度の空をカバーする広視野CMOSカメラ
1億9,000万画素のCMOSカメラで20平方度の空をカバー
最大2フレーム毎秒(全領域)、最大160フレーム毎秒(部分領域)
GPSによる0.2ミリ秒の絶対時刻精度
30テラバイト毎夜、先端の情報科学的手法で処理
各天域にて2フレーム毎秒で18フレーム連続、1フレームあたり深さ17等級
12,000平方度の空(高度35度以上)を2.5時間でスキャン
重力波・宇宙ニュートリノイベントを迅速に追観測
X線望遠鏡・電波望遠鏡と連携した高速観測
地球接近小惑星、微光流星、人工衛星、宇宙デブリ
爆発初期の超新星、重力波可視光対応天体、恒星フレア、系外惑星トランジット、彗星アウトバースト
ブラックホール連星、矮新星、回転コンパクト天体、カイパーベルト天体の掩蔽
ガンマ線バースト・FRBの可視光対応天体、未知のフラッシュイベント
〒397-0101 長野県木曽郡木曽町三岳10762-30
東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所
tomoegozen-prjioa.s.u-tokyo.ac.jp
トモエゴゼンは東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所、東京大学宇宙理工学連携研究機構、トモエゴゼンコラボレーションにより運用されています。 本計画は日本学術振興会科学研究費助成事業、科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業CREST・さきがけ、「大学間連携による光・赤外線天文学研究教育拠点のネットワーク構築」事業、国立天文台共同開発研究の支援を受けています。